SOLIDWORKS Flow Simulation 構造解析との連携機能
荷重転送機能で熱流体ー構造連成解析を実現
製品設計の現場では、流体の影響による製品の変形や破損が大きな課題となることがあります。SOLIDWORKS Flow Simulationで解析した流体の圧力や温度を、SOLIDWORKS Simulationに直接渡すことで、これらの問題を詳細に検討できるようになります。
具体的には、SOLIDWORKS Flow Simulationで得られた圧力・温度分布といった詳細な流体解析結果を、SOLIDWORKS Simulationに荷重条件として転送することで、構造解析へのシームレスな連携を実現できます。風圧力や熱膨張といった流体現象が構造に与える影響を正確に評価し、製品の信頼性向上に貢献します。
解析モデル
今回は図1に示す、電子筐体を解析対象としました。
図1:解析モデル
図1:解析モデル(筐体透明表示)
解析の流れ
1.SOLIDWORKS Flow Simulationで熱流体解析を実行
SOLIDWORKS Flow Simulationで熱流体解析を実行します。
図2:熱流体解析結果(流跡線)
図2:熱流体解析結果(温度分布)
2.SOLIDWORKS Simulationへエクスポート
エクスポートは、次の順で選択します。
- SOLIDWORKSのメニューバー→ツール
- Flow Simulation
- ツール
- Simulationに結果出力
図3:エクスポートの設定画面
3.SOLIDWORKS Simulationで条件設定
SOLIDWORKS Flow Simulationの計算結果ファイルを選択することで熱荷重を設定できます。次の順で選択します。
- 構造解析スタディのプロパティ→流れ/熱効果
- SOLIDWORKS Flow Simulationの温度
- fldファイルを指定
図4:構造解析での設定画面
解析結果
図5の通り筐体の熱変形や熱応力を計算できました。
図5:構造解析結果
まとめ
本記事では、SOLIDWORKS Flow SimulationとSOLIDWORKS Simulationを連成させることで、流体と構造の相互作用を詳細に解析した事例をご紹介しました。ほかにもSOLIDWORKS Plastics(樹脂流動解析ソフト)とSOLIDWORKS Simulationを用いて、射出成形プロセスにおける樹脂の挙動と金型の構造強度を評価する解析事例もあります。
射出成形用金型の構造解析
射出成形用金型は多くの部品から構成されており、成形過程における負荷に耐えられる構造が要求されます。ここでは、樹脂充填時のキャビティ内圧力による金型の強度評価をSOLIDWORKS Simulationにより解析した例をご紹介します。
SOLIDWORKS Simulation
SOLIDWORKSに完全統合された設計者向け構造解析ソフトウェア。非常に扱いやすいユーザーインターフェイスにより、設計初期段階でのトライアンドエラーが簡単に実行可能。
SOLIDWORKS Plastics
SOLIDWORKS統合型の樹脂流動解析ソフトウェア。充填解析をSOLIDWORKS内で実施可能。