最新レポート CIMソフト動作検証 ~Z230・Z420編~

新発売のワークステーションでCIM関連ソフトはどう動く?

大規模データを処理するCIM。ワークステーション最新モデルZ230とZ420において、CIM関連ソフトはどのようなパフォーマンスをするのか検証しました。CIM関連ソフトもすべて2014を用いて、専門スタッフによる総評コメントも付け加えました。土木関係の方は必見の最新レポートをお届けします。

  • * CIMに関する情報は次の「BIM/CIM導入ナビ」よりご確認ください。

BIM/CIM導入ナビ

最新レポート CIMソフト動作検証 ~Z230・Z420編~ イメージ

検証マシン

 マシンAマシンBマシンC
製品HP Z230SFFHP Z230HP Z420
プロセッサ
(クロック周波数
/キャッシュ)
インテル Xeon E3-1225v3
(3.3GHz/8MB)
インテル Xeon E3-1270v3
(3.5GHz/8MB)
インテル Xeon E5-1620
(3.6GHz/10MB)
CPUコア数クアッドコアクアッドコアクアッドコア
ハイパー
スレッティング
(HT)
OFFONON
メモリ8GB16GB16GB
ディスク
キャッシング
64GB SSD
ディスクキャッシュ
64GB SSD
ディスクキャッシュ
なし
グラフィックス
コントローラ
NVIDIA Quadro K600
(1GB DDR3 SDRAM 搭載)
NVIDIA Quadro K2000
(2GB GDDR5 SDRAM 搭載)
NVIDIA Quadro K2000
(2GB GDDR5 SDRAM 搭載)
OSWindows 7 ProfessionalWindows 7 ProfessionalWindows 7 Professional
  • * 太字は仕様が異なっている箇所(高性能)。

AutoCAD Civil 3D 2014を用いての検証結果

使用データ

  • DWGファイル:68MB
  • 16km×9kmの範囲に基盤地図情報10mメッシュからTINサーフェスを作成。
    TINサーフェスのポイント数:121万、三角形の数:243万
  • 延長18kmほどの線形上に、道路・法面のコリドーモデルを作成。
 マシンAマシンBマシンC結果
起動初回:1分6.7秒
2回目:9.1秒
初回:1分5.3秒
2回目:8.5秒
初回:1分13.4秒
2回目:10.9秒
マシンA、Bがやや速い
開く6.2秒5.3秒6.7秒マシンBがやや速い
サーフェススタイルの変更(注1)8.1秒3.5秒11.9秒マシンBがかなり速い
ビューイング1
(注2)
広域範囲のため多少遅い
ビューイング2
(注3)
広域範囲のため多少遅い
ビューイング3
(注4)
4.7秒3.8秒5.8秒マシンBがやや速い
ビューイング4
(注5)
12.7秒12.4秒18.3秒マシンA、Bが速い
コリドー再作成23.0秒21.0秒29.2秒マシンBが速い
  • (注1)境界のみからTIN表示
  • (注2)作図領域(平面図)でのズーム・画面移動
  • (注3)オブジェクトビューアでの3D回転
  • (注4)作図領域でのビュー変更:南西アイソメ
  • (注5)作図領域での表示スタイルの変更:コンセプト

検証総評

起動

初回起動はマシンA、Bに比べマシンCが遅い。CPU性能やディスクキャッシュの有無が結果に影響していると考えられる。ただし、2回目以降の起動ではそれほど大きな差は出なかった。

各種処理

サーフェススタイルの変更(境界からTIN)や、コリドー再作成などの計算処理で違いが見られた。CPU、メモリ容量によるものと考えられる。

ビューイング

  • Civil3Dで利用したTINサーフェスの三角形の数は243万個。ビューイングの速度は決して早くはないが実務で利用できるレベルと感じられた。しかし、より広範囲のサーフェスではズームなどもかなり遅くなると思われる。
  • 3製品ともにグラフィックボード性能による違いはそれほど見られなかった。

Autodesk Revit Structure 2014を用いての検証結果

使用データ

  • RVTファイル:11MB
  • 橋脚1基(鉄筋約3000本を含む)を10基(鉄筋約3万本)配置したデータ
  • 鉄筋を実径(3D)表示して3D表示のパフォーマンスが必要な状態とした。
 マシンAマシンBマシンC結果
起動初回:28.8秒
2回目:5.1秒
初回:28.0秒
2回目:5.1秒
初回:35.7秒
2回目:6.6秒
マシンA、Bがやや速い
開く18.5秒18.2秒25.9秒マシンA、Bが速い
ビューイング1
(注1)
13.0秒12.5秒14.8秒マシンA、Bがやや速い
ビューイング2
(注2)
13.2秒12.8秒14.9秒マシンA、Bがやや速い
ビューイング3
(注3)
2.5秒2.5秒3.2秒マシンA、Bがやや速い
レンダリング
(注4)
40.8秒34.5秒41.3秒マシンBが速い
マシンB、Cは計算に8コア使用
  • (注1)鉄筋を「実径表示:オン」で、ワイヤフレームからシェーディングに変更
  • (注2)鉄筋を「実径表示:オン」、「アンチエイリアス:オン」で、ワイヤフレームからシェーディングに変更
  • (注3)ViewCubeで、視点を90度回転
  • (注4)「解像度:145×126mm、150dpi」、「品質:最高」でレンダリング

検証総評

起動

初回起動はマシンA、Bに比べマシンCが遅い。CPU性能やディスクキャッシュの有無が結果に影響していると考えられる。ただし、2回目以降の起動ではそれほど大きな差は出なかった。

各種処理

HTでの8コアすべてを利用する処理はRevitのレンダリング、Infraworksのラスタ表示処理のみ。その他のベンチマーク作業では1~4コアしか使用されない。HTの効果は限定的。

ビューイング

  • RevitではマシンA、Bがやや早かったが、3台とも大きな違いはなく操作上のストレスもない。
  • 3製品ともにグラフィックボード性能による違いはそれほど見られなかった。

Autodesk InfraWorks 2014を用いての検証結果

使用データ

  • 新規モデルを作成し16km×9kmの地形を、ラスターデータおよびベクトルデータで読み込み。
  • 地形イメージは、500MBのラスターデータを読み込み。
  • 基盤地図情報の建物データを、SHPファイルで読み込み。
 マシンAマシンBマシンC結果
起動初回:27.4秒
2回目:7.0秒
初回:26.2秒
2回目:6.5秒
初回:34.5秒
2回目:8.5秒
マシンA、Bがやや速い
地形読み込み1
(注1)
読込:○
再表示:14.5秒
読込:○
再表示:12.3秒
読込:○
再表示:14.5秒
再表示はマシンBがやや速い
地形読み込み2
(注2)
読込:
2分53.8秒
再表示:
3分13.2秒
読込:
1分52.1秒
再表示:
2分27.4秒
読込:
2分50.4秒
再表示:
3分27.8秒
マシンBが速い
マシンB、Cは計算に8コア使用
地形イメージ
読み込み(注3)
読込:○
再表示:22.2秒
読込:○
再表示:19.0秒
読込:○
再表示:23.5秒
マシンBが速い
建物読み込み
(注4)
 
ビューイング
(注5)
 
ストーリーボード
(アニメーション)
 
  • (注1)ラスターデータのGeoTIFF(24MB)の地形を読み込みから設定後、閉じて再表示
  • (注2)ベクトルデータのLandXML(200MB)の地形を読み込みから設定後、閉じて再表示
  • (注3)衛星画像(500MB)を読み込みから設定後、閉じて再表示
  • (注4)SHP(2MB)を読み込みから設定後、閉じて再表示
  • (注5)ズーム・画面移動・3D回転

検証総評

起動

初回起動はマシンA、Bに比べマシンCが遅い。CPU性能やディスクキャッシュの有無が結果に影響していると考えられる。ただし、2回目以降の起動ではそれほど大きな差は出なかった。

各種処理

  • 大容量のベクトルデータの地形読み込みで違いが見られた(大容量の地形は、ラスターデータで読み込むことで対処できる)。
  • HTでの8コアすべてを利用する処理はRevitのレンダリング、Infraworksのラスタ表示処理のみ。その他のベンチマーク作業では1~4コアしか使用されない。HTの効果は限定的。

ビューイング

  • InfraWorksは一度データが作成されてしまえば、ビューイングはどのマシンでも軽快。
  • 3製品ともにグラフィックボード性能による違いはそれほど見られなかった。