製造業に残る根強い紙文化 QCD管理になぜペーパーレス化が必要なのか?

生産性向上のため、デジタル化を進めるメリットを考える

デジタル化は、全ての企業・業務において、今すぐに実行しなければならないものではありません。

しかし、製造業において生産性向上のためにQCD(Quality, Cost, Delivery)の管理・改善を真剣に検討しているのであれば、デジタル化はQCD改善を推進する非常に強力なツールとなります。デジタル化を進めることで得られるメリットについて、解説していきます。

紙業務を続ける理由と将来性

製造業において、発注や請求、勤怠管理、作業報告、日報、伝票、帳票、図面、手順書など、あらゆる場面で紙が使われていることがあります。「今までずっと紙で行っているので不便は感じていない」「小さい会社だからデジタル化は必要ないよ」と思われている方もいらっしゃると思います。

紙ベースの業務は、一見小さな手間で済むように思えますが、製造業においては、製品の設計図や工程表の管理に大きな負担をもたらす場合があります。紙の図面が紛失したり、修正漏れが発生したりすることで、製品の品質低下や納期遅延につながるリスクが常にあります。また、複数の部署で同じ図面を参照する場合、情報の共有が遅れ、生産性が低下する可能性も考えられます。

人材採用においても課題となる場合も

人材を採用しようとしても、デジタルネイティブの若い世代が紙での業務が多い現場を「非効率」や「時代遅れ」と思われるかもしれません。また、外国人の採用を検討しようとしても、多言語化された業務手順書やマニュアル、多言語対応のコミュニケーションツールが導入されていないと「言語の壁」に対応できない可能性があります。

デジタル化は競争力強化に

このように、業務の一部をデジタル化しておくことは、将来の競争力強化につながります。

特に、製品やサービスの品質、コスト、納期といったQCDに関する業務プロセスをデジタル化することは、企業の競争優位性を確立するための戦略的な投資となります。

QCD管理が属人化し、長年の経験と勘でなんとなくやっていませんか?

今までQCDを熟練の従業員が長年の経験と勘で行ってきたという会社も多いかもしれません。経験豊かな従業員の知識は貴重ではあるものの、個人の判断に委ねることで、標準化や一貫性に欠けるという課題が生じがちです。また、その従業員が退職してしまうと対応ができなくなるということも起こり得ます。紙ベースの管理では、データ収集自体が手間がかかり、リアルタイムな分析も困難です。

デジタル化により、正確なデータを迅速に収集・分析できるようになり、製造現場における「品質の向上」「コスト削減」「納期短縮の実現」に貢献します。紙ベースの管理からデジタル化への移行は、企業の競争力強化に直結する重要なステップと言えるでしょう。

データ活用で業務効率改善や生産性向上を目指す

データを活用することで、製造業務に注力できる環境を整備することができ、業務効率を向上させることができます。

1.無駄な作業の削減

データ化によって手書きする時間やパソコンへの手入力などにかかっていた作業時間を削減できます。これにより、従業員は製造業務に集中することができ、全体の生産効率が向上します。

2.コスト削減とリスク管理

データ化することで、紙ベースの書類保管場所が不要となり、書類の紛失といったリスクも防げます。保管場所のスペースが必要なくなることから、その分のコスト削減効果も期待できます。

3.データの「見える化」で業務状況を把握

データを活用することで、業務状況の「見える化」が可能になります。デジタル化されていれば現場の状況をリアルタイムで把握でき、迅速な意思決定が可能となります。

4.検索性の向上

紙の書類は膨大な量になると、いざ必要なときに必要な情報の検索が困難ですが、デジタル化されたデータは瞬時に検索が可能です。デジタルデータはネットワークを通じて共有され、簡単に更新・修正もできるため、常に最新情報を維持できます。

5.ムリ・ムダ・ムラの削減

データ分析を行うことで、業務のムリ・ムダ・ムラが見えてきます。業務内容を整備し、ムリ・ムダ・ムラを削減することで、効率化と生産性向上が期待できます。

データ活用を最大限に生かすためには、デジタル化が必要不可欠です。デジタルツールを導入することで、データの取得・管理が容易になり、業務の効率化や生産性向上が実現できます。

デジタル化は少しずつ進めることができる

デジタル化は一度に全てを行う必要はありません。できるところから徐々に進めることが可能です。「でもどこから始めていいか分からない」という場合、QCD管理に関わる部分から始めるのがお勧めです。この部分をデジタル化することでデータの収集・分析が効率的に行えるようになり、正確性の向上も期待できます。

QCDの改善に必要なデータ

QCDに関わる部分、および期待される効果を下記の表にまとめています。

期待される効果把握すべきデータ
不良率低減(不良ゼロ)
  • 不良集計(品番別、不良項目別、設備別、作業者別)
  • 原価(労務費、材料費、経費、外注費)
設備稼働率向上(予兆保全)
  • 稼働率推移(工場別、ライン別、設備別)
  • MTBF(平均故障間隔)、MTTR(平均修復時間)一覧
  • バックアップデータ一覧(PLC、サーボ、センサー)
サイクルタイム低減
  • 作業時間集計表(工程別、カテゴリー別:段取り替え、作業時間、設備故障、ドカ停、チョコ停、部材切れ など)
納期遅れ、欠品対策
  • 作業進捗(しんちょく)ガントチャート
  • 製品、中間品、部材、工具、治具在庫情報一覧表(工程、倉庫)
トレーサビリティ確立
  • トレーサビリティ(バックトレース、フォワードトレース)

i-Reporterであれば、デジタル化がスモールスタートで始められる

紙で行っていた業務をそのままデジタル化できるツール「i-Reporter」は、始めたいところから簡単にスモールスタートができます。難しい知識が必要なく、紙で行っていた業務をそのままデジタル化することができるため、従来の業務フローを大きく変えることなく、デジタル化を進めることができます。

i-Reporterは、これまで使っていた帳票を変えて新しいフォーマットを作るのではなく、紙帳票をそのままタブレット端末の中で利用できるイメージで、手書き帳票の良さを残してそのままデジタル化・ペーパーレス化に移行できます。

電子帳票入力は、「チェック」 「数値選択」「マスター入力」「カメラ」「音声」など、直感的に使える方法をご用意。現場作業者が負荷なく、簡単でミスのない入力作業を実現しました。現場の作業者は今までの業務のイメージのまま、抵抗なくご使用いただけます。

i-Reporterに入力されたデータはデータベースに保管・管理されるため、書類の紛失リスクを防ぎます。さらに、データの検索や共有が容易になります。データ共有や外部システムとの連携がリアルタイムに可能となります。また、i-Reporterは、多言語対応も可能で、外国人従業員も利用できます。

i-Reporterとは

i-Reporter 導入事例

まとめ

紙にこだわる方にとって、全ての業務を一気にデジタル化するのではなく、徐々に進めることが大切です。今後を見据えてQCDの管理・改善など、効率化や生産性向上の効果が期待できる部分からデジタル化を始め、i-Reporterのようなデジタル化を推進するツールを活用することで、紙業務からの卒業をスモールスタートで進めることができるでしょう。

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