Creo Simulateは、CAD画面上でCAEを実行します。個別にソフトを操作する必要がなく、設計意図を引き継いだ状態でシミュレーションできるため、即座に設計変更に対応します。変更による条件の設定エラーを自動検出し、誤った計算を未然に防げます。
設計者を支え、より良い設計へ導くCAE「Creo Simulate」
設計者CAEを実現する四つの壁を超えるシミュレーションツール
「品質向上」「コスト削減」「納期短縮」を常に要求され続ける中、同時に「より良い製品」を生み出す必要がある。現状は、頻繁な設計変更や手戻りなどに対応しなければならず、創造的な仕事に取り組む時間がない…。このようなジレンマを抱えている設計者の声を耳にします。
QCDを改善しながら、効率良く設計を行い、優れた製品を開発する方法はあるのでしょうか?
カギとなるのは設計者自身がCAEを行うこと
従来、CAEは専門知識を持つ専任者が品質や安全性の検証として実施していました。現在では、CAEソフトの進化によって、設計者自身が電卓を使うようにCAEを利用できる環境が整いつつあります。設計開発の段階におけるCAEの活用は、後工程だけでなく設計者自身にも多くのメリットがあります。
設計者CAEのメリット
設計者自身がCAEを行うメリットは大きく二つあります。
- 事前に問題を予測し、早い段階で改善することができる。試作回数や手戻りの削減につながり、結果、開発期間の短縮を実現できる。
- 多くの設計案を短時間でシミュレーションできるため、検討の幅が広がり、最適な案を出す手助けとなる。
結果として、設計者が構想に注力でき、QCDの追求と優れた製品開発の両立も夢ではなくなるのです。
設計者CAEを実現するには四つの壁がある
とはいえ、CADに加えて別のツールを使用することは、設計者にとって負担となりかねません。設計者の仕事を助け、より良い設計に役立つCAEを行うには、四つの要件を満たす必要があります。
- 設計時と同じ環境で操作できること。
- 計算結果が信頼できるものであること。
- 多くの設計案を作成でき、最適な案を選び出せること。
- 迅速かつ柔軟に検証できること。
四つの要件を満たすシミュレーションツールとは?
PTC社の「Creo Simulate」は、これらの要件を満たすシミュレーションツールです。
1.設計環境と統合したシームレスなCAE
2.先進的なソルバー技術
計算の妥当性を追求した独自のソルバー技術は、多くの信頼と実績を得ています。自動で収束判定も行い、応力の高い箇所を検出します。手をかけずにシミュレーションを行えます。
3.設計の試行錯誤を支援する、高度な最適化機能
形状や寸法を変えて試行錯誤を行う際、Creo Simulateがバックグラウンドで解析モデルを生成し、設計モデルを変更せずにシミュレーションできます。
さらに寸法範囲や制約条件を設定すると、その設定内で数値を変化させて計算します。部品間や重心の位置、表面積なども算出し、あらゆるパターンを計算したうえで現状のモデルに対する最適な案を選び出します。
4.モデルの簡略化機能で、必要な部分だけに絞ったシミュレーション
Creo Simulateに搭載されているモデル簡略化機能は、不要な部分を削除し、必要な部分だけ対象とすることで、迅速なシミュレーションを行えます。モデル化機能はソリッド、シェル、バネ、ビームなど広範囲に対応します。従来は個別の定義が必要だった接触部や溶接部も自動認識してモデル化できます。
エンジニアリングノートで、さらなる設計効率化
Creo Simulate 4.0では、豊富な材料指定、作業の自動化、付加製造シミュレーション、操作性の向上など設計者CAEの手助けとなる機能強化が施されています。
中でも、Creo Simulate上にエンジニアリングノート「PTC Mathcad」を埋め込める機能が便利です。Mathcadは四則計算だけでなく、微積分や三角関数などの数学を表記し、計算実行できるため、設計時に根拠となる数値をモデルに埋め込んでおけば、シミュレーション時に工学的な根拠が明確な数字を条件として適用できます。設計意図を可視化することで、設計の効率化や標準化が可能となり、改善や次製品の開発にも役立ちます。
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