SaaS版の3D CAD「Creo+」とは?

設計でシミュレーションツール、活用できていますか?

「Creo+」は2023年5月、PTCより新たにリリースされた3D CADソリューションです。本製品はオンプレミス版である「Creo」のSaaS版という位置づけになります。本ページでは、「Creo+」の持つ機能やその特長、現行の「Creo」との違いについてご紹介します。

クラウド接続で利用する「Creo+」

「Creo+」は、PCへインストールし、PCリソースを用いて処理を行うCAD環境となりますが、PTC社のSaaSテクノロジー「Atlas」を用いており、インターネット接続によりユーザーのライセンスを認識して「Creo+」を起動します。管理者はクラウド上の管理ツール「「Creo+」 Portal」にて、「Creo+」の利用ユーザーやライセンスを一元管理できます。

今後、インストールなしでも使用可能なバージョンもリリースされる予定です。

自動でインストール・アップデート

「Creo+」のインストールやアップデートは、「Creo+ Portal」より取得できる軽量なソフトウェア「PTC Control Center」により自動で実行されます。あらかじめクラウド上でコンフィギュレーションファイルのパスなどを設定し、ユーザーや使う機能に合わせた環境も容易に構築できます。

従来製品のようにライセンスサーバー構築やマシンごとの設定などは必要ないため、多数のマシンに導入する場合も管理者の負担をかけずに展開できます。

現行の「Creo」と同じ機能を搭載

「Creo+」は、オンプレミス版の「Creo」と同じCAD機能を搭載しています。基本機能だけでなく、ライセンスに応じた拡張機能も同じように利用できます。

設計データは従来同様、部品、アセンブリ、図面といったファイルを作成し、ローカル環境に保存しながら設計を行います。既存の「Creo」データも利用できるため、現行の「Creo」をお使いの方も機能やデータを損なうことなく、「Creo+」へ移行できます。

バージョンによる区別のないデータ利用

「Creo+」は自動的にアップデートが行われ、常に最新環境で利用できます。そのため、「Creo+」同士であればバージョンの違いを意識せずにデータを利用できます。

コラボレーションセッション

クラウドを介したリアルタイムコラボレーション

「Creo+」ではクラウド上に「コラボレーションセッション」を作成し、セッションに参加する共同作業者と部品・アセンブリを共有できます。セッション内では、同じモデルを複数人が同時に開いて作業もできます。モデルへの変更は、クラウド上のデータが自動で保存、更新されるため、共同作業者はみな、モデルの最新状態をリアルタイムに共有できます。

同じアセンブリを開きながら別々の構成部品を編集し、その結果を各メンバーにリアルタイムで共有する、といったコラボレーションが可能です。

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全ての変更を保存するコラボレーション履歴

セッション内で行った変更内容は、全て「コラボレーション履歴」として保存されます。後から編集前の状態を呼び出し、修正案として明確に残しておくために、特定の履歴に名前をつけて、「バージョン」化することができます。

ブランチによる並行した設計案の検討

コラボレーション履歴では、バージョンを基にブランチを作成できます。モデルへの変更はアクティブブランチにしか影響しないため、複数のブランチを作成することで、疑似的に作業領域を分けて検討作業を進められます。ブランチでの設計が終了した後にその案を正式採用したい場合は、ブランチを本編にマージすることで、簡単に統合できます。