Navis+を用いたBIM/CIMモデルの属性管理・利活用
属性付与の時間と手間を削減

BIM/CIMモデルは、3次元モデルと属性データ・参照資料を組み合わせて構造物の形状や仕様を詳細に表現することができます。3次元モデルは形状を示し、属性データ・参照資料はプロジェクトの各段階で追加・更新される多様な情報を提供することにより、BIM/CIMは効率的な情報管理とプロジェクトの精度向上を実現します。
しかし、BIM/CIMモデル作成に必要な属性付与には一般的に時間と手間がかかり、十分に有効活用しきれていないケースも多く見られます。その問題を解決するツールとして、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)が提供する「Navis+」をご紹介します。
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藤田 未央子、渡邉 敬斗
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 科学プロダクト技術部
Navis+とは
Navis+は、BIM/CIMモデルと属性の利活用を強力にサポートするソフトウェアです。3次元モデルの属性付与・管理の省力化だけでなく、準備作業から活用・納品まで幅広く対応します。
BIM/CIMモデル活用~納品までの作業ステップ
- 準備作業の効率化・省力化
- 属性情報の付与、管理
- 属性情報の利活用
- BIM/CIMモデルの納品をサポート
Navis+は、次の二つのツールで構成されます。
1.Navis+
Navisworksのアドオンソフトウェアです。メインツールとして次の機能を提供します。

オブジェクトへID付与
属性エクスポート

属性割当と属性管理
ラベル・リンク表示

属性値ごとに表示更新できる凡例表示

グラフ表示と数量計算

タイムライナー設定自動化

NWDファイルでの納品物作成サポート
2.Civil+
バージョン2025から追加された、Civil 3D上のアドオンソフトウェアです。Navis+のサブツールとして次の機能を提供します。

オブジェクトへのID情報付与

IFCファイルでの納品物作成をサポート
Navis+のキープロパティの付与
Navis+では、モデルを形状(オブジェクト)と属性データに分けて管理することで、それぞれの継承や編集が容易になり、汎用(はんよう)性が高く柔軟な属性管理を実現しています。
キープロパティとは、形状(オブジェクト)と属性をひも付ける際の鍵となるプロパティであり、図面上で個々のオブジェクトを識別する役割を果たします。このプロパティは一意に定義されている必要があり、何をキープロパティとするかは属性管理において重要なポイントです。オリジナルの図面ファイル形式や属性種別に応じて、適切に判断する必要があります。

Navis+では、図面構成に応じてキープロパティを自由に選択可能です。さらに、キープロパティがない場合には、個々のオブジェクトに新たにキープロパティを付与できますので、属性付与に必要な準備作業が大幅に省力化できます。

属性の管理、活用
Navis+では、形状(オブジェクト)に付与する属性情報を管理する「属性テーブル」を基本として、「時系列テーブル」や「項目テーブル」が利用可能です。BIM/CIMモデルの種類や用途・目的に応じて、汎用的かつ柔軟なテーブル構成で属性管理が可能です。
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| テーブル | 属性テーブル 形状(オブジェクト)に付与する属性情報を管理するテーブル | 時系列テーブル 時間とともに変化する情報を管理するテーブル | 項目テーブル 属性テーブル内の1属性と連携した情報を管理するテーブル |
また、豊富な機能によって、さまざまな用途でのBIM/CIMモデルの利活用を実現します。

凡例設定・表示切替

4Dシミュレーション(TimeLiner)

数量計算

グラフ表示

外部参照リンク

モニタリング
Navis+ 2025からの新機能
新バージョンNavis+ 2025は、データ利活用の効率化~納品まで一括サポートするパッケージにアップグレードしました。
1.Civil 3D上でのID付与
Civil 3D上でオブジェクトに識別情報(ID番号)を付与することが可能になりました。この機能により、特定のオブジェクトや部材ごとに、人間が認識しやすい名前を自動的に付与し、属性割当時のキープロパティとして利用できます。準備段階で誰もが認識しやすい名前を自動付与することで、属性管理をより効率的に行うことができます。
2.NWDファイル共有用の機能追加
Navisworks図面(NWDファイル)の納品時には、成果物図面として必要な各種設定を自動で行います。外部リンクのチェック、ハイパーリンク設定、凡例表示後のビューポイント保存などが含まれます。Navisworks図面をベースにした情報共有や関係者間でのデータ利活用がよりスムーズに実現します。
3.IFCファイル納品用の機能追加
NavisworksからCivil 3Dへ属性情報を連携することで、IFCファイルの納品にも対応可能です。Navis+の作業図面から属性情報をエクスポートし、Civil+の機能でDWGファイルのオブジェクトへ属性情報を自動付与できますので、出力の手間もかからず、データチェックも不要です。

まとめ
- Navis+は、CTCが提供するソフトウェアです。BIM/CIMモデルの属性付与・管理を効率化し、準備作業から活用・納品まで幅広い場面での利活用を強力にサポートします。
- Navis+の特長として、図面構成に応じてキープロパティを自由に選択可能なこと、汎用的かつ柔軟なテーブル構成、さまざまな用途でBIM/CIMモデル利活用を実現する豊富な機能があります。
- 新バージョンのNavis+ 2025では、Civil 3D上でのID付与やNWDファイル共有、IFCファイル納品などの新機能が追加されました。
さらに詳しい情報や実際の活用事例については、CTCの製品サイトをご覧ください。また、Navis+紹介動画もご用意していますので、こちらも併せてご覧ください。

藤田 未央子、渡邉 敬斗
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 科学プロダクト技術部
BIM/CIM分野の課題解決を支援する製品・サービスの開発保守およびソリューションの提案を担当しています。


