- データ引継ぎ・連携が容易
- AutoCADの操作性を踏襲
- BIM/CIM納品形式ファイルの出力が可能(IFC、LandXMLなど)
GEORAMAを使った3次元地質モデルの作成とモデルの活用
初心者でもプロの仕上がり。GEORAMAで3D地質モデルが驚くほど簡単に

建設業界では地盤情報が構造物の安全性と耐久性に重要ですが、場所によって地盤特性が異なるため、正確な情報を得るのは難しいです。従来の地盤調査は時間とコストがかかり、効率的なプロジェクト進行が難しいという課題があります。
これを解決するために、BIM/CIMの導入が求められています。BIM/CIMモデルを利用することで、地質区分や位置関係、地質・土質上の課題を容易に把握し、最適な設計・施工計画を効率化できます。また、地質リスクなどを施工・維持管理へ引き継げます。
ただし、正確な3次元地質モデルを作成するには高度な技術と専門知識が必要です。そこで、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)の「GEORAMA」をご紹介します。GEORAMAを使えば、初心者でも簡単に3次元地質モデルを作成できます。
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吉田 哲也、渡邉 敬斗
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 科学営業第3部
GEORAMAとは
GEORAMAとは、3次元地質モデルを作成するためのAutodesk Civil 3Dのアドオンソフトウェアです。GEORAMAには三つの特長があります。
AutoCADのデータ形式

2次元作業でモデル作成
- 複雑な3次元上の操作は必要なし
- モデルの修正が容易
- 既存断面図を利用可能
- モデルの妥当性確認も2次元上で行える

属性付きのモデル作成
- 3次元モデルに属性を自動で付与(準3次元モデル、サーフェスモデル)
- ソリッドモデル、ブロックモデルにユーザー定義の属性を定義可能

GEORAMAの機能
ボーリング読み込み・管理・可視化・出力
ボーリングXMLファイルを読み込むことで、地質とボーリング情報が自動保存され、表形式で確認できます。また、ボーリング柱状図やボーリングモデルも自動作成されます。

地質断面図作成・出力(準3次元モデル)
地質断面図の作成をサポートする機能が充実しています。GEORAMAの機能を利用することで、初心者でも比較的容易に地質断面図の作成が行えます。

また、作成した地質断面図は準3次元モデルの形で確認・出力が可能です。

地質境界面の推定
地質断面図の境界線を入力情報として、地層境界面の推定を行います。層順序などの地質構造はパラメーターで設定し、作成や更新に3次元上の操作は必要ありません。

各種モデル作成
GEORAMAでは、サーフェスモデル以外にもさまざまなモデルを作成できます。具体的には「ソリッドモデル」、「ブロックモデル」です。GEORAMAの断面作成機能で、断面形状の確認もできます。

GEORAMAを使ったモデルの活用
GEORAMAは、単なる3次元地質モデラーではありません。例えば、造成地の土木施工に伴う土量計算や、地下水変動解析などのシミュレーションに利用するためのFEMデータ作成など、ハイエンドユーザーのニーズにも応える機能を搭載しています。
ここでは、GEORAMAの機能を使ったモデルの活用例をご紹介します。
土量計算
作成した断面図を使用して、指定した断面方向の地質区分ごとの土量計算を行えます。また、3Dモデルから断面図を自動生成して土量計算することも可能です。
土量は、断面図の各地質の面積と断面間の距離を用いた平均断面法により計算されます。掘削面などの計画形状を指定することもできるため、造成工事、ダム工事などの土量計算を効率的に行えます。

構造物と地質の関係性を見る(3次元)
GEORAMAで作成した地盤モデルとCADソフトで作成した構造物のモデルを統合することで、構造物と地質の関係を見ることができます。例えば、杭(くい)であれば支持層との関係性を確認可能です。

構造物と地質の関係性を見る(2次元)
3次元上での確認だけだと定量的な確認が難しい場合があります。GEORAMAでは、任意の位置での断面形状を可視化できますので、2次元上で地質と構造物の関係を確認できます。

計画・施工管理(近接施工における影響沈下の解析)
GEORAMAには解析ソフトとの連携機能があります。この機能を用いれば、例えば、GEORAMAで作成したモデルを使用して解析ソフトで解析が可能です。下記は地盤沈下の解析例です。

GEORAMA紹介動画もご用意していますので、こちらも併せてご覧ください。

吉田 哲也、渡邉 敬斗
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 科学営業第3部
BIM/CIM分野の課題解決を支援する製品・サービスの開発保守およびソリューションの提案を担当しています。