VectorworksからインポートしたCADデータを用いて、日射積算解析を行い、各フロア・各室での日射積算量の違いを調べています。前編で準備したCADデータをいよいよシミュレーションに利用していきます!
主な内容
- 解析モデル(日射解析と日射積算解析の違い)
- 簡易モデル置き換え
- 解析結果・考察 など
VectorworksからインポートしたCADデータを用いて、日射積算解析を行い、各フロア・各室での日射積算量の違いを調べています。前編で準備したCADデータをいよいよシミュレーションに利用していきます!
図のような特徴的なファサードを持つデザイナーズマンションにおいて、各階南側の室内・ベランダでどのくらい日当たりに差があるか、日射積算解析を行い、日照の状況を比較検討します。なお、5~8階を対象とした、室内南側の日射量を比較します。
前編では、Vectorworksで作成したCADデータをifc形式(もしくは3ds形式)で出力、FlowDesignerにインポートまでを行いました。
モデルデータ提供:エーアンドエー株式会社
対象の5~8階にあたる熱の影響を考慮し、躯体サイズをベースとしてメッシュを分割すると、かなり細かいメッシュを作成する必要があります。メッシュが細かいと計算時間が長くなるという問題が発生します。
さて、どのようにメッシュを作成したらよいでしょうか?
日射量の解析には、「日射解析」と「日射積算解析」の二通りの方法があります。言葉は似ていますが、解析方法には大きな違いがあります。
日射解析 | 各時刻の太陽位置から物体表面に発熱量を与え、熱・気流分布を計算する手法。物体表面温度・室内温度分布などを検討できるが、精度の高い解析結果を得るためには、細かいメッシュが必要となり計算負荷が高くなりやすい。 |
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日射積算解析 | 各時刻の太陽位置から物体表面への日射量のみを1日単位で計算(積算)する手法。熱・気流を解かないため、長期間にわたる日射量を少ないメッシュで検討できる。 |
日射解析:固体の温度分布、表面の熱伝達を計算するため、ある程度細かいメッシュが必要
日射積算解析:表面の日射積算量のみを計算するため、必ずしも細かいメッシュでなくてもよい
日射解析:メッシュが細かく分割されている
日射積算解析:日射解析よりも大まかにメッシュを分割
各階の日当たりを知るため、日射積算解析を行うことにしました。そして、次のように比較的粗くメッシュを分割しました。
解析領域 建物の大きさ | 29×22×44.1m3 |
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メッシュ数 | 10,674,378(X:174、Y:143、Z:429) |
最小メッシュ幅 | 0.15m |
最大メッシュ幅 | 0.30m |
日射量は、FlowDesigner上で月日・場所から太陽軌道を計算して算出したものを使用します。ただし、各部材表面への直達日射の積算量を解析対象とし、熱・気流の解析は行わないことにします。
場所 | 東京都世田谷区 |
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日射量積算単位 | 週 |
日射量積算期間 | 夏期:7月1日~7月31日 中間期:3月1日~3月31日 冬期:12月1日~12月31日 |
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FlowDesigner解析事例 デザイナーズマンションの日射積算解析
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