こう使う!熱設計における逆解析
逆解析で何ができるのか?
これまでの熱設計では、設計目標をクリアするためにアイディアを試行錯誤して答えを導いてきました。その方法では、すぐに設計目標を実現できずにやむを得ず妥協案を強いられることもありました。
熱流体解析ソフトFlowDesignerの「逆解析」機能を使えば、現状案の解析、感度解析のわずか2回の解析でさまざまな改善案を感度として「見える化」することができます。これにより、熱設計における試行錯誤の時間が短縮されるだけではなく、今まで想像もしていなかった解決案が見つかるかもしれません。
動画で分かるFlowDesigner 逆解析
逆解析ではさまざまな感度情報を収集できます
職場のデスクの温度を例に逆解析でどんなことができるのかをご紹介します。
これまでの調査で各デスクには温度のムラがあることが分かっています。温度ムラをなくし、各デスクでの温度を一定にしたい場合、逆解析の感度解析を行うと次のような情報を把握できます。
流量感度 | 吹出・吸込流量を増やすか減らすか |
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体積発熱感度 | どこにスポットクーラーを設けるか |
風向感度 | 空調をどの向きに吹き出せばよいか |
温度感度 | 吹出温度を上げるか、下げるか |
熱通過率感度 | どの位置に窓を設けるか |
体積力感度 | どこにファンを配置するか |
形状感度 | どんな形状のパーティションにするか |
ほかにもこのような逆解析を行いました
FlowDesigner逆解析 第6回:ファンキャップ形状を変えると、CPUの温度はどう変わるのか?
第6回では、ノートPCの熱設計としてファンキャップの形状を検討し、効率的な放熱を目指します。FlowDesignerの位置感度解析は、設計目標に近づくための方向性が色つきの矢印で表示されるので、効果的な改善案を分かりやすくスピーディーに導き出せます。
FlowDesigner逆解析 第5回:筐体の開口位置を変えて温度はどう変わる?
第5回では、ノートPCの放熱効果を高めるために筐体の開口位置や大きさを検討します。FlowDesignerの開口率感度を用いれば、改善すべきポイントを視覚的に見つけられます。開口位置を変えることでCPUの温度はどう変わるのでしょうか?
FlowDesigner逆解析 第4回:ヒートシンクをコンパクトにすると、CPUの温度はどう変わるのか?
第4回では、無音で取り付けが手軽な放熱装置・ヒートシンクのコンパクト化を検討します。コスト削減と最適な冷却構造を両立するため、FlowDesignerの感度分析で案を絞り込んで行きます。
FlowDesigner逆解析 第3回:ノートPC内の温度はファンの風量で変わるのか?
第3回は、ノートPC内部の温度を下げるためにファンの風量をどのくらいにすれば良いか?を検証するために、FlowDesigner 感度解析(流量感度)を使います。
FlowDesigner逆解析 第2回:ノートPC内にはどのようなファンカバーが有効?
本連載では、FlowDesignerの逆解析を利用して、ノートPC内の熱をいかに下げるか検証していきます。今回はファンの風向をコントロールするには、どのようなファンカバーのデザインにすればよいか、開口率感度を使って検討します。
FlowDesigner逆解析 第1回:ノートPC内ファンの向き
本連載では、FlowDesignerの逆解析を利用し、さまざまな改善案の検討方法をご紹介します。第1回はノートPC内部のファンの向きだけを変更して、温度をいかに下げるかがテーマです。