秋田県の技術センターで光学製品の設計開発に着手する際に、先行して取り組んでいたドイツの販社でどのような光学解析ソフトを使っているかを調べた。そのうえで、各社の光学解析ソフトを比較検討し、最終的にミッドレンジ3次元CADソフトの『SolidWorks』と統合的な運用が可能な『OPTIS WORKS』を選定し、2006年に導入している。
「当社では、以前から大塚商会さんから『SolidWorks』を導入し、サブミニチュアランプの設計開発を行っており、光学製品事業部でも手慣れた『SolidWorks』を活用することになりました。そこで『SolidWorks』との親和性の高さや、他社製品と比べて機能的にも優れていることから、『OPTIS WORKS』の導入を決めたのです」と自動車・航空機営業部 一課 課長代理の石原 祥平氏は当時を振り返る。
また、自動車メーカーのほとんどがハイエンド3次元CADソフト『CATIA V5』を利用しており、同社にも自動車メーカーから車体のラフデザインや自動車用部品の一次メーカーが作成したユニットのデザインが『CATIA V5』のデータで送られてくる。そのデータを『SolidWorks』に変換するソフトも導入している。「光学部品はとても小さいので、コンマミリ単位の精度が要求されます。お客様から支給される『CATIA V5』のデータをそのまま『SolidWorks』に取り込むと、計算方法や計算精度などが異なるためにユニットの形状が変わってしまうことがあります。そこで、データ変換ソフトを利用し、誤差が生じる確率を低く抑えたのです。実際、かなり変換の精度は高く、誤差はほとんどありません」と実際に3次元CADを操作する光学製品事業部 技術部 技術一課 技師の山西 正晃氏は語る。
さらに近年では周辺部品のデザインの複雑さが増し、設計に与える影響も大きくなってきたことから、新たに『CATIA V5』も大塚商会から導入した。自動車メーカーや光学部品の一次メーカーは、最終的に『CATIA V5』上でチェックするので、『SolidWorks』で作成したデータがどのように見えるのかを事前に検証するためである。「CADの種類が異なるとデータが化けてしまう可能性があるのと、ユニットの形状が複雑になってきたことから、当社が設計したとおりにお客様の環境で再現されるのか、社内で確認できるようにしたかったのです」と山西氏は語る。