3次元への移行に失敗しないCADとは

設計ツールの移り変わり

製造業ではかつてドラフターによる手描きの図面で設計を行っていましたが、2次元CADそしてワイヤーフレームやサーフェスによる3次元CAD、ソリッドモデラーの3次元CADと技術の進化と共に使われるツールが変化していきました。現代ではシステムの機能拡充・低価格化が進み、幅広い分野の製品設計で3次元CADが使われるようになりました。

しかし、今なお2次元CADで設計を続けている企業は少なくありません。CADにより精度の高い2次元図面が描けますが、設計自体はドラフター時代と同じ2次元設計を続けていることになります。

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ものづくり市場が抱える問題

2次元CADが主流だったころは、長年2次元設計を続けてきた熟練技術者が持つ技術力やノウハウが製品開発を支えており、市場の競争に打ち勝てていました。

しかし、時代と共に熟練技術者が減少し、技術力やノウハウの低下が進んでいます。また、近年目覚ましい成長を見せる海外企業とのグローバル競争も激しくなっており、従来の2次元設計では戦えなくなってきています。

2次元設計の改善を妨げる要因

3次元CADを未導入の企業では「2次元のままでも問題なく設計できている」とお考えだと思いますが、2次元設計が持つ「改善を妨げる要因」により、今後さらなる開発力向上が困難になります。

要因1．表現方法の限界

多くの曲面を持つ形状や徐変フィレットなど形状が複雑な製品は2次元設計で正確に表現できません。そのため、製造側に正しい形状を伝えられず、設計者のイメージする形状を再現できない場合があります。

曲面がたくさんある複雑な部品は表現が難しかったり不可能だったりすることも

要因2．設計ミスの見逃し

2次元設計では設計情報が図面のみになります。そのため、干渉などの問題を漏れなく検出するのが困難になり、試作で初めて設計ミスを発見し、手戻りが生じるケースも珍しくありません。

設計時に複数の断面図で干渉がないと確認していても、試作してみると干渉が発生してしまう

要因3．設計の試行錯誤

小型化、軽量化を図るための設計案を検討しても、図面上で仕様要求に応じた強度を保持できているか判断できず、試作品による実験に頼らざるを得ません。

リブを減肉、切り欠きを追加したが、強度の過不足は試作・実験まで分からない

2次元設計の問題を解決するSOLIDWORKS

3次元CADであるSOLIDWORKSでは、3次元の特性を活かした豊富な機能により、2次元CAD以上に効率的に設計を進められます。同時に2次元設計が持つ「改善を妨げる要因」も解決できます。

設計形状の見える化

製品形状を立体で表現しながら設計を行うため、図面だけの環境よりもはるかに形状を把握しやすくなります。営業担当や顧客にも製品の完成イメージを正確に伝えられます。

フィーチャーベース・パラメトリック

モデリングは「フィーチャー」とよばれる要素を組み合わせるフィーチャーベースで行います。作成したい形状に合わせて2次元スケッチで輪郭を定義し、フィーチャー機能で立体モデルを作成するため、2次元CADユーザーでも容易に3次元形状を作成できます。

スケッチやフィーチャーで定義した寸法やパラメーターを変更すれば、簡単にモデルの形状を変更できます。2次元設計のように図面を描き直さずに即座に形状を修正できます。

3次元を活かした検証

製品形状を3次元のソリッドボディで正確に再現することで、実機と同様の検証をCAD上で実施できます。製品を組み立てたときの部品間の距離や重心位置の測定、干渉の有無、強度の過不足など図面では分からない問題を試作前に検証できます。

  • 質量特性：質量、密度、体積などを計測

  • 測定：要素間の距離・角度や面の外周、面積を測る

  • 重心：部品・アセンブリの重心位置を表示

  • 断面表示：選択面の断面領域を表示

  • 干渉認識：アセンブリ内で部品同士の干渉をチェック

  • 構造解析：モデル使用時に加わる負荷を再現して強度の有無を検証

3次元モデルを用いた2次元図面作成

SOLIDWORKSでは設計で作成した3次元モデルを参照し、任意の方向へ投影するように2次元図面を作成します。2次元CADのように全て手動で作図する必要がないため、誰でも短時間で正確な図面を作成できます。

2次元・3次元の連携

単一の部品形状を再現した「部品」、組み付け状態を再現した「アセンブリ」、3次元モデルを参照した「図面」はそれぞれ異なるファイル形式で作成します。SOLIDWORKSではこれらのファイルに相関関係があり、部品を変更するだけで参照しているアセンブリ・図面にも自動で変更を反映されるため、設計変更にも迅速に対応できます。

3次元設計を成功させるSOLIDWORKS機能

設計意図を履歴として作成

フィーチャーベースでは直接製品形状を作成するだけでなく、ソリッド作成前に設計意図をスケッチや参照ジオメトリなどで定義しておくことができます。事前に設計上重要な部位を定義しておくことで、ミスなくモデリングを進められます。

レイアウトパーツを用いた設計

個別に部品やユニットの設計に入る前に、製品全体の概略形状や各ユニットの空間の取り合いなどをレイアウトパーツで定義し、レイアウトパーツに合わせて設計を進める「マップレイアウト手法」により、干渉させずに設計を進められます。SOLIDWORKSではレイアウトパーツを参照用の構成部品「エンベロープ」として組み込めるため、大規模な製品設計も効率的に進められます。

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2D CADユーザー向けSOLIDWORKSのご提案

主な内容

  • ソリッドモデラーの3次元CAD
  • 製造部門での3次元データ利用
  • 3次元設計を成功させるSOLIDWORKS機能