CircuitWorksによる電気系CADとの協調設計

電気系CADで設計される基板形状は把握できていますか?

現在、多くのものづくりの現場で3D CADによる機械設計が行われています。これによりモデルを3次元で構築し、部品・ユニット間の干渉やクリアランスの検証などを行い、設計の致命的な問題をCAD上で事前に確認できるようになりました。

しかし、実際に製造されるほとんどの製品はこのような機械的な設計だけでありません。製品の動作を制御する電気装置、基板モデルの設計も行われています。製品の小型化に伴い、PCB(プリント回路基板)設計は機械設計との関連が緊密に影響しあう状況となり、部門間の連携が重要です。

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製造業における機械設計と電気設計の課題

制御装置の設計を行う電気設計では、電気系CADが使用され、基板モデルのデータはIDFファイルなどで作成されます。一方、機械設計を行う3D CADのほとんどは電気設計を行う電気系CADとのデータ互換性がないため、詳細な設計情報の交換ができていません。

そのため、製品内部に組み込まれる部品であっても3D CAD上で形状を再現できず、基板と機械の干渉、クリアランスを正確に把握することが困難になります。その結果、不明瞭な情報交換のみで各部門の設計が進行してしまい、設計終盤になってから電気・機械部品の間に干渉があることが発覚し、膨大な工数が必要な設計変更を余儀なくされるケースが発生してしまいます。

このような問題に対応するためには、機械設計と電気設計の柔軟な連携は製造業において、避けて通れない改善課題の一つといえます。

1製品の設計をしていても双方の設計状況を確認できない

基板データを基に3次元データを自動構築するCircuitWorks

CircuitWorksとは、SOLIDWORKS ProfessionalまたはSOLIDWORKS Premiumにパッケージされたアドインです。CircuitWorksを使用することで、電気系CADにより作成されたIDFファイルなどの持つ基板形状、搭載部品の形状、深さ、ホール形状などの情報を読み取り、それぞれの要素から個別に部品ファイルを作成し、一つの基板モデルを構成するアセンブリファイルを自動生成できます。

基板データを取り込み、SOLIDWORKSモデルを構築することでCAD上で基板データの形状を確認できる

SOLIDWORKSモデルとして設計に利用

CircuitWorksで作成されたアセンブリファイルは、通常のSOLIDWORKSモデルとして使用できます。

設計中のアセンブリに対し、基板アセンブリデータを構成部品として組み込み、製品上の機械モデルと基板モデル同士の干渉やクリアランス問題を正確に評価できます。この結果、設計検討の初期段階から部門間で形状を把握しながら設計でき、納期間際になって形状変更を余儀なくされるような事態を事前に回避できるようになります。

基板データの取り込みにより電気系・機械系エンジニア双方の協調設計を可能に

取り込んだデータから構成部品ライブラリを自動生成

CircuitWorksでは、電気系CADファイルからSOLIDWORKSデータを生成する際は、ファイル内に書き込まれている搭載部品の輪郭、高さなどを基に必要となる部品を生成し、同時にそれらを搭載部品ライブラリとして蓄積していきます。

ライブラリが作成されることで、再度SOLIDWORKSデータを生成する際に構成部品を新規作成せずにライブラリを再利用することで、SOLIDWORKSデータの生成時間を短縮できます。

  • 生成された構成部品のパッケージ名、部品名、高さなどで部品を識別し、ライブラリから再利用可能
  • SOLIDWORKSファイルをライブラリへ追加可能
  • 単一データから複数のライブラリを指定可能
  • ファイルのコンフィギュレーションを認識

自動生成された部品を基に自動で搭載部品ライブラリを作成

CircuitWorksを活用するメリット

CADの性質の違いから互いの情報を把握・確認することができなかった電気・機械の設計業務において、CircuitWorksの活用を使うことで、電気・機械設計間の問題を解消し、エンジニア間のコミュニケーション速度を向上できます。

電気系CADデータから3次元形状を再現し、SOLIDWORKS機能を活用することで、モデルの位置合わせ、干渉確認や各種解析ツールを用いた安全性の確認を行うことができ、電気・機械設計双方の設計精度、品質の向上にもつながります。

  • 配置位置の確認と干渉チェック

  • 熱伝導、熱応力解析

  • 熱流体解析

機械設計と電気設計間の協調設計

電気系CADファイルを読み込みだけでなく、CircuitWorksを介することでSOLIDWORKSファイルから電気系CADファイルへのエクスポートを行うこともできます。取り込んだ基板アセンブリや部品を変更し、再び電気系CADファイルにエクスポートすることで、電気系CADと設計データを直接やりとりできるようになります。

CircuitWorksを介することでSOLIDWORKSと電気系CADファイルの双方向の入出力を可能にし、機械設計、電気設計間の連携速度を向上させる

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CircuitWorksによる電気系CADとの協調設計

主な内容

  • 電気設計の現状
  • CircuitWorksによる電気系CADファイルの読み込み
  • CircuitWorksを活用した設計検証