新旧HPモバイルワークステーションで点群処理にかかる性能を比較(TREND-POINT、ReCap編)

4年間での進化はすごかった

コロナ禍によりテレワークが一気に浸透すると同時にモバイルワークステーションのニーズが高まりました。モバイルワークステーションは在宅やリモートでの勤務時だけでなく、現場や外出先、打ち合わせでもいつもの環境で作業ができ、その利便性からモバイルワークステーションのニーズはさらに高まっています。

そこで今回、2018年7月に発売されたHP「ZBook 17 G5 Mobile Workstation(以下、旧型)」と2022年6月に発売された同社「ZBook Fury 16 inch G9(以下、新型)」の性能にどのくらい違いがあるのか、点群処理にかかる性能を比較してみました。

この記事を詳しく解説した資料があります

モバイルワークステーションのニーズ高まる

テレワークが普及する前、ワークステーションといえば据え置き型が一般的でした。しかし、日本国外をみると、ワークステーションを使用している設計者やエンジニア、クリエイターたちは、既に半数ぐらいがモバイルワークステーションを使用していました。

この違いは、日本の場合、会社に属して業務をすることが多く、オフィスに出勤して仕事をするため、会社が用意した据え置き型のワークステーションを使用することが多かったためです。一方、海外では、フリーランスとして働く人が多く、そのため、どこにでも持ち運べるモバイルワークステーションのニーズが高いといわれています。

現在、日本でもオフィス以外で働く人が増え、持ち運べる利便性とモバイルワークステーション自体の性能も据え置き型と変わらないほどに向上しているため、そのニーズは高まりを見せています。

モバイルワークステーションのスペック

今回、比較する機種のスペックは下記のとおりです。

 ZBook 17 G5 Mobile Workstation

旧型

ZBook Fury 16inch G9

新型

CPUインテル Core i7-8850Hインテル Core-i7 12850X
メモリー64GB64GB
グラフィックボードNVIDIA Quadro P5200NVIDIA RTX A3000
ストレージ1TB M.2 SSD2TB M.2 SSD
  • 旧型

  • 新型

TREND-POINTでの検証結果

TREND-POINTは国土交通省が推し進めるi-Constructionにより、急速に普及が進む点群データの処理・活用を支援。膨大な点群データを快適に取り扱えるだけでなく、豊富なフィルター(ごみ取り)による点群データの加工や断面作成、メッシュ土量計算などを行える3D点群処理システムです。

起動に関しては、新型が初回6.2秒、2回目は4.2秒でした。旧型では初回8.3秒、2回目で6.6秒という結果になりました。次に画像復元点群.ply形式(データサイズ:26.2GBと2.6GB)と、LiDAR点群.ply形式(データサイズ:3.2GB)でデータを開く速度を比較しました。こちらは結果として倍ぐらいの違いが出ました。画像復元点群.E57形式とLiDAR点群.E57形式では、かなりの差が出ましたので、ぜひ詳細をご覧いただければと思います。また、ビューイングでは、ズーム・画面移動と3D回転で比較しました。旧型では少し動きが鈍く、ラグがあるという結果でした。

Autodesk ReCap Proでの検証結果

AECコレクションにも含まれるReCapには、点群を扱うReCap Proと、写真から3Dモデルを作成するReCap Photoがあります。ReCap Proは、点群データを編集・可視化するデスクトップアプリケーションで、のオートデスク製品で点群データを取り扱うための前処理が行えます。また、Faro、Leica、Z+F、Topcon、Rieglなどのレーザースキャンファイルを読み込んで、3D点群データやパノラマビューの視覚化が行えるほか、点群データに対して、表示領域の設定、不要点の削除、距離や角度の計測、注釈の記入などが行えます。

起動に関しては、新型が初回10.3秒、2回目は7.1秒でした。旧型では初回11.2秒、2回目で11.1秒という結果になりました。画像復元点群.E57形式とLiDAR点群.E57形式のデータを開く速さでは、こちらもかなりの差が出たものと、そこまで差が出なかったというものがありました。ぜひ資料を見てご確認いただければと思います。また、ビューイングでは、ズーム・画面移動と3D回転で比較しました。こちらは両機種ともに問題なく稼働していました。

考察

似たようなスペックの新旧モバイルワークステーションの比較を行ってみましたが、やはり性能面で差がはっきり出たという結果になりました。詳細は資料をご覧いただければと思いますが、重いデータほど、その差が顕著に表れたと考えられます。

最近、ワークステーションの動きが鈍くなってきたと感じている方、もしかしたら扱うデータにそのワークステーションの性能が追い付いていないのかもしれません。買い替えをご検討の際はぜひ大塚商会までお気軽にご相談ください。

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新旧HP モバイルワークステーション比較(TREND-POINT、ReCap編)

主な内容

  • 検証に使用したモバイルワークステーションのスペック
  • 検証結果 ― まとめ

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