街中の小さな公園からレジャーを楽しむ大型の公園、あるいはショッピングモールの子ども広場や小学校の校庭、保育園の園庭まで、家族や子どもが集まる場所に欠かせないのがさまざまな遊具だ。特に近年、少子化対策や住環境重視の流れの中、高度成長期に大量に作られた公園遊具が老朽化し新設やリニューアルが急ピッチで進められている。このような状況の遊具業界にあって創業70年を超える老舗としてトレンドを創造し、牽引しているのが日都産業株式会社である。
同社設計課の寺戸氏は語る。「公園遊具の専門メーカーとして、設計開発から設置後のメンテナンスまでトータルに任されてきた会社です。実際いまのブランコやすべり台などの多くは当社が作った原型が公団などに標準仕様として採用され広まったもの。その後、少子高齢化の流れを受けて公園に置く健康器具も開発し、これもグッドデザイン賞を受賞するなどして公園の定番設備となっています。」
このように70年余の歴史を通じ常に業界の第一人者として走り続けてきた日都産業だが、その歩みは決して平坦な道ばかりだったわけではない。特に約10年前の法改正で市場環境は大きく変化した。かつてはすべり台とブランコと砂場、鉄棒など公園に置く遊具はある程度定められていたが、この規制が撤廃され多彩な遊び要素を組み合せて多機能化した「複合遊具」が新たな主役として身近な公園にも置かれるようになったのだ。