主な内容
- FlowDesigner 製品特徴
- 導入事例と製品動画
- 5分で分かる 解析事例
快適性指標は、運動量と着衣量で結果が大きく変わる!
陽射しが強くなり、通勤時に半袖の会社員を多く見かけるようになりました。大塚商会も5月から「ノーネクタイ」「ノー上着」のクールビズを実施しています。
そこで今回は、FlowDesignerの快適性指標機能を用いて「衣替え」がオフィスの快適性に与える影響を検証してみましょう。着衣量が変わると快適性はどのように変化するのか、シミュレーション結果の比較を行ってみます。
FlowDesignerの快適性指標機能とは、温度、湿度、風速の三つの要素に基づいて、人々が感じる快適性を分布で表す機能です。この機能を用いることで、オフィス、住宅、店舗など空間における快適性を客観的に評価することができます。
FlowDesigner 快適性指標機能には、運動量と着衣量のパラメータが用意されています。運動量と着衣量は、人々の体温調節能力に大きく影響するため、快適性に重要な役割を果たします。
運動量には、表1のような場所と運動の組み合わせがあります。
休息 | いす座/立位 |
---|---|
事務所 | いす座読書/いす座ワープロ/いす座ファイル整理/立位ファイル整理/歩き回る/梱包作業 |
平坦地歩行 | 時速3.2km/時 時速4.8km/時 時速6.4km/時 |
工場内作業 | 軽作業/重作業 |
スポーツ | バスケットボール |
安静時 | 睡眠時 |
着衣量には、表2のような性別の設定と着衣量の設定があります。
性別 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
着衣 | 着衣なし 水着 半袖シャツ+ズボン 長袖シャツ+ズボン 長袖シャツ+ベスト+ズボン 長袖シャツ+上着+ズボン | 着衣なし 水着 半袖ブラウス+スカート 長袖ブラウス+スカート 長袖ブラウス+ベスト+スカート 長袖ブラウス+上着+スカート |
上記に基づいて、FlowDesignerの快適性指標機能の着衣量を変更して、結果がどのように変化するのか確認してみます。解析モデルはごく単純なモデルとし、6人掛けのPCテーブルはライブラリに標準登録されたモデルを使用します。
部屋の大きさ | L 5.5×W 8×H 2.5m |
---|---|
初期条件 | 室温 18℃ 二カ所の吹き出し口は同じ設定 流速1m / s、吹出温度は室温と同じ18℃ |
着衣量のみ変更した2ケースの解析を実施する。
速度については条件が同じため、長袖でも半袖でも変化はありません。
温度についても条件が同じため、長袖の場合も半袖の場合も変化はありません。
FlowDesigner 快適性指標を用いたシミュレーション結果から、ケース1とケース2で大きな差が出ました。長袖を着て感じる温度と、半袖を着て感じる温度の違いが如実に表れています。
部屋全体の温度分布は、37.5℃以上のエリアが大部分を占めています。天井から18℃の冷風が吹き出している箇所は、局所的に温度が低く感じられます。
長袖の場合と同様に部屋全体の温度分布は均一ですが、全体的に35℃以下となっております。また、人体からも発熱しているため、いす付近のSET*は高い値を示しています。
このように、着衣量を変えると快適性指標は変化することから、着衣量は非常に重要なパラメータであることが分かりました。夏場・冬場で初期温度・吹き出し温度を変えることは当然必要ですが、快適性指標の評価を行う場合には、着衣量の設定変更も忘れずに行う必要があります。
標準新有効温度は、FlowDesignerの「日射・輻射・快適性オプション」によって求められます。SET*のほかにもPMVなど別の指標を利用しての解析も行えます。
FlowDesignerの快適性指標を利用することで、設計者やエンジニアは建築物の設計において人々の快適性を考慮した意思決定を行えるようになります。また、省エネ提案にもつながりますので、ぜひご利用ください。
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