平均断面法と3次元モデルの数量計算

平均断面法は、ある測点の断面積(S1)と次の測点の断面積(S2)の平均断面積に、二つの測点間の距離(L)をかけて、二つの測点間の体積(V)を求める方法です。

日本では土工事などの土量計算で「平均断面法」が用いられ、2次元図面から測点ごとの切土面積、盛土面積を出し、切土量、盛土量を算出しますよね。

3次元CADでの土量算出方法

では、3次元CADではどのように計算するのでしょうか。

オートデスクの「Civil 3D」では、「複合法(または複合土量)」呼ばれる方法で計算します。これは、現況地盤や計画地盤をサーフェス(面)で表現し、この二つのサーフェスの標高差に基づいて土量を算定する方法です。

平均断面法は、従来の2次元図面で用いられる方法ですね。文字どおり断面積の平均から土量を算定するため、例えば20m間隔の測点の区間の中に深いくぼみがあっても、それは計算結果には反映されません。

3次元モデルで算定する土量は、サーフェスデータのメッシュサイズにもよりますが、より精度の高い土量が算定できるといえます。

土木工事数量算出要領の規定

BIM/CIMでは、土工管理などに3次元モデルが用いられるようになりました。

国土交通省の「土木工事数量算出要領」では、3次元CADソフトを用いた土構造物の数量算出方法として、次の方法が規定されています。

また、数量算出に用いるサーフェスデータのメッシュの大きさは、50cm間隔以下とされています。

a:点高法

b:TIN分割等を用いて求積する方法

c:プリズモイダル法

d:その他算出結果について結果を確認できるもの

それぞれの詳細は、以下の要領(案)を確認してください。

出展:国土交通省 「令和6年度 土木工事数量算出要領」

BIM/CIM製品の数量計算方法は、福井コンピュータの「TREND-POINT」はa:点高法とc:プリズモイダル法に対応、建設システムの「SiTE-Scope」はa・b・cに対応と、ソフトウェアによって対応状況が異なります。

また、オートデスクの「Civil 3D」の”複合法”は、土木工事数量算出要領でのc:プリズモイダル法 に当たります。用語の定義が異なるため分かりづらいですが、Civil 3Dのヘルプを参照すると、前記cと同じ図がでてくるので確認してみてください。

なお、Civil 3Dユーザーの方は、Autodeskサイトにナレッジが掲載されているので、あわせてご確認ください。

Civil 3D で行われる土量計算は、土木工事数量算出要領で示されている計算方法のどれに対応していますか

Civil 3Dの複合法による土量算出の操作手順は、次の動画でご確認いただけます。