設備設計基準の空調設計と省エネ基準の空間設計の違い

設備設計基準とは? 省エネ基準とは?

設備設計基準の空調設計と省エネ基準の空間設計は、どちらも建築物の省エネルギーを目的としていますが、そのアプローチが異なります。両者の違いを熱負荷計算の設計を例に解説します。

設備設計基準とは

設備設計基準とは、建築物の設備に関するあらゆる基準が掲載されている「建築設備設計規準」のことです。空調設計においては、室内の熱負荷(室内の温度を維持するために必要な熱量)を計算し、その熱負荷を満たすために、空調設備の設置・設計手法などが掲載されています。

省エネ基準とは

省エネ基準とは、省エネに対する設計基準で、建築物の空間構成や設備配置を工夫することで、省エネルギーを実現する設計手法です。平成28年以前は段々と基準が厳しくなってきた経緯があります。もともと、建築側の外壁などの断熱性能を上げる施策と設備側で省エネ設備を使用する施策の合計値で定められていましたが、現在は「建築物省エネ法」とよばれる法律として制定されています(平成28年以降)。

熱負荷計算を例に違いを解説

設備設計基準で設計すると何が定まる?

設備設計基準で設計すると、室用途ごとに定まる熱負荷に対して適切な空調設備を設けることができます。

  • 図1:人体発熱や機械発熱、日射などにより発熱があるが、まだ空調機が定まっていない状況

  • 図2:適切な空調機を設置することで、室内の最低限の快適性は保たれるようになった

省エネ基準で設計すると何が定まる?

図3では、部屋全体の平均温度は26℃に保たれていますが、日射による温度上昇を抑える手立てをしていないため、冷房温度が21℃設定となっており、エネルギー消費の大きい運用となっています。その対策例として、窓の上部に庇を設けることで、日射の入射による温度上昇を抑えられ、それによって冷房温度を24℃まで上げることができます。庇により省エネな設計を実現することができます。

  • 図3:建築基準法で必要最低限の熱負荷は解消しているが……

  • 図4:庇の設置により日射を防ぎ、エアコンの設定温度を上げても快適性が保たれるように

FlowDesignerで省エネ対策を検討してみよう

設備設計基準の空調設計と省エネ基準の空間設計は、どちらも建築物の省エネルギーに寄与する重要な設計です。両者は独立して行われるものではなく、相互に補完し合う関係にあります。

室内の温度ムラの原因が日射によるものと簡単に特定できましたが、実際には温度は目に見えないため、原因を特定することは難しいです。原因を見つけるために、室内の諸条件を入力し、空気の流れや温度分布を把握したうえで、送風器を設置したり、スポットクーラーを利用したりして、さらに効率的な居住者周囲の快適性を改善するためには、CFDによる検証が適しています。

FlowDesignerを用いることで、温度ムラを発見しやすくなります。また、ムラを均一に改善するには、どこに換気装置を設定したらよいか、熱だまりの発生しやすい場所に熱が入らないようにするにはどのようにすればよいか、など問題点を把握したうえで、実機による検討をしなくても複数の対策について、コンピューター上で確認できるようになります。ご興味をお持ちの方は、FlowDesignerの機能・動画・事例などをまとめたカタログにてご確認ください。

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