SOLIDWORKS 2026 機能紹介

SOLIDWORKS 2026では、ユーザーの声を反映したユーザーエクスペリエンス改善とワークフロー効率化を目的に、多数の新機能が追加されました。製品開発現場で役立つ機能強化により、設計作業のスピードと精度が大幅に向上します。

この記事を詳しく解説した資料があります

  • * 本ページでご紹介している機能の中には、一部SOLIDWORKS 2025で利用できる機能も含まれています。

年間を通しての機能強化

従来は、新バージョンのリリース時に機能追加や改善をまとめて実施していました。しかし、ソフトウェア業界ではSaaS化が進み、より頻繁なアップデートが求められています。

この流れに対応するため、SOLIDWORKSではリリース後に提供されるサービスパック(SP)でも新機能を追加しています。そのため、年間を通じて継続的な機能強化が行われる仕組みになっています。

ユーザーエクスペリエンス

新規選択フィルター

選択できる要素を制限して作業できる選択フィルターでは、新たに「フィーチャー」と「構成部品」のフィルターが追加されました。グラフィック領域から要素を選択するだけでフィーチャーや構成部品要素を選択できるので、編集・開く操作へ効率的に移行できます。

選択階層リンクやツリーから選択することなく、直接任意の要素を選択できる

サイズ・ボリュームでボディ選択

アセンブリで利用されていたサイズ・ボリューム指定選択が、マルチボディ部品でも利用できるようになりました。

  • ボリュームでボディを選択:3D空間で領域を指定。
  • サイズでボディを選択:ボディのサイズをパーセントで指定。

多数のボディを含むマルチボディ部品の選択操作を素早く実行

スケッチ

矩形ツールで正方形の作図

矩形ツールで作図する際、キーボード「Shift」キーを押しながら作図することで、形状を正方形に制限して作図できます。作図エンティティには自動で「等しい値」拘束が付与されるので、手動で拘束を定義する必要はありません。

キーボード+クリック操作だけで正方形を作図

部品

「点」ジオメトリの強化

参照ジオメトリ「点」の定義において、従来は面やエッジ、他の点要素などを参照する必要がありましたが、新たにXYZ座標値で点の位置を定義できるようになりました。

原点を基準にした絶対座標を指定するだけで点を作成できるので、3Dスケッチでレイアウトを表すパスやガイドカーブなどを容易に作成できます。

板金:ベースフランジの多様な開始条件

板金のベースフランジでは、ベース形状の作成位置として「スケッチ平面」のほか、通常の押し出しなどと同様、「サーフェス/面/平面」、「頂点」、「オフセット」を指定できるようになりました。他の要素を参照したり、オフセット距離を指定するなど、任意の方法でベースの開始位置を指定できます。

指定した頂点位置でベースフランジを作成するなど、開始位置を指定

構造システム:コーナーの直感的な選択

三つ以上の鋼材が交わる合成コーナーのトリムを行う際、トリムタイプをより直感的に指定できるよう、トリムタイプをダイアログで指定できるようになりました。コーナーを行うトリム部分で一貫した色分け表示が行われることで視認性も向上しています。

トリム順序の指定など複雑な設定を行うことなく、イメージした形状を選択するだけでトリムできる

アセンブリ

AIによる自動ファスナー認識

ナットやボルト、座金として表示される構成部品に対して、AIにより自動的に形状を認識し、アセンブリ挿入時に合致を定義するSmartMatesに対応しました。部品に合致参照などが定義されていないモデルであっても、ドラッグで挿入するだけでスマート合致を定義できます。

自動ファスナー認識が適用されると、カーソル上に星マークが表示され、スマート合致を定義できる

選択的ロード

3DEXPERIENCE platform上に保存したアセンブリに対して、「フィルター」機能を用いることで設計対象とする構成部品のみを読み込み、ロード時間を短縮できます。クラウド上で設計対象の構成部品を事前に絞り込み、その後フィルターを「保存」します。アセンブリを開く際に保存したフィルターを開くことで、フィルターを適用した状態でトップアセンブリを開くことができ、不要なモデルを読み込まずに作業できます。

本動画は音声オンで再生されます。音量は、動画プレーヤー画面の下部にあるスピーカーアイコンで調整可能です。

図面

マグネットラインによるアノテートアイテム整列

従来、図面上のバルーン記号を直線状に整列、配置できた「マグネットライン」機能で、新たに「注記」、「表面粗さ記号」、「溶接記号」、「幾何公差」、「リビジョン記号」を整列できるようになりました。

バルーン以外のアノテートアイテムも等間隔に整列して見易い図面を素早く作成できる

自動図面作成

部品やアセンブリモデルで作業中、選択モデルを用いて図面を自動作成できます。利用には3DEXPERIENCE機能を有効にする「Cloud Services」が必要になりますが、図面作成時に必要となる新規図面の作成や標準ビューや断面図、寸法、注記、テーブル、穴寸法テキストなどの作成作業をAIに代替することができます。

図面の自動作成はバックグラウンド処理ができるため、他のCAD操作を進めながら図面を作成しておくことで、より効率的に作業できます。

本動画は音声オンで再生されます。音量は、動画プレーヤー画面の下部にあるスピーカーアイコンで調整可能です。

MBD(DimXpert)

アノテートアイテムの表示/非表示

2D図面で利用できていた非表示状態のアノテートアイテムをハイライト表示して表示/非表示を切り替える操作が、DimXpert寸法にも対応しました。モデル上で必要となるPMIの表示、制御をより簡単に行えます。

DimXpert寸法にも対応

フィーチャー寸法からDimXpert寸法作成

SOLIDWORKS 2025から搭載されたスケッチ寸法からDimXpert寸法を作成する「寸法の挿入」機能が強化され、フィーチャー寸法・参照寸法からDimXpert寸法を作成できるようになりました。これによりモデリング中に定義した各種寸法値を基にDimXpert寸法を作成できます。

フィーチャー作成時に定義した寸法情報からDimXpert寸法を作成できるよう強化

レンダリング

DSPBR外観に対応

SOLIDWORKS上で定義する外観設定がDSPBR(Dassault Systemes開発の外観)に対応しました。外観設定のPropertyManager「イルミネーション」タブが「DSPBR」タブに変更され、SOLIDWORKS Visualizeと同様の設定を定義できるようになります。

モデルの凹凸や材料の質感、照明の映り込みなどをよりリアルに再現

SOLIDWORKSから直接レンダリング

SOLIDWORKS Visualizeのライセンスがあり、インストールされている環境であれば、Visualizeへモデルを出力することなく、CAD上から直接レンダリングできるようになりました。Visualizeと同じDSPBR外観を用いているため、Visualizeを使ったことがないユーザーでも同じ品質のレンダリング画像を作成できます。

Visualizeへ切り替えず、SOLIDWORKSから直接レンダリングできる

マルチプロダクト

SOLIDWORKS Routing

「始点/終点から開始」コマンドなどで表示されるガイドラインをルートパスからリダイレクトし、他モデルとの干渉を回避したルートを簡単に作成。

SOLIDWORKS Electrical

コネクタの挿入時に回路やピンの詳細情報を専用ダイアログで表示したり、多数の接続点を持つ構成部品の接続点フィーチャーの情報をダイアログで一覧表示するなど、確認/編集作業をよりスムーズに行うための機能が強化。

SOLIDWORKS PDM

より少ない手数で必要な情報を検索できるよう検索機能が強化されたほか、チェックアウト中ファイルの所有権を他者へ移譲したり、使用先/参照先タブでドキュメントIDやアーカイブサーバーパスを表示するなど、管理者向けの機能が強化。

SOLIDWORKS Simulation

ボルト、リンクロット、ベアリングなどの分布結合を含むモデルの計算速度向上のほか、材料未定義などの問題があった場合にどのモデルが対象なのかを表示するフィードバックの改善、シェル要素のエッジに対するリモート荷重/質量設定の対応など、検証のパフォーマンス、効率に影響する機能が強化。

SOLIDWORKS Plastics

ショートショットが発生している領域を明確に表示する「未充填体の体積」プロットに加え、金型内の空気を逃がす「ベント」設定をエッジに対して定義することでより現実的な結果を得られるよう強化。

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SOLIDWORKS 2026 新機能

主な内容

  • 開発プロセスのさらなる合理化、迅速化を実現
  • 年間を通しての機能強化
  • 新機能まとめ

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