Substance Alchemistでマテリアルを作成してみた

Revitで使えるフローリングのマテリアルを作る

前回の調査でSubstance Alchemistの概要は理解できたので、ここからは実務での利用を想定し、建築で使えるマテリアルを作ってみよう。今回は木目のイメージファイルからフローリングのマテリアル作成に挑戦してみます。

  • * 2020年3月12日の最新バージョン「2020.1」で作成しています。

起動と準備

Substance Alchemistを起動する。プレビューモデルのマテリアルは「Plane」にしておこう。作業効率を考慮して左と下のパネルを閉じて作業範囲を広げておいた。パネルは二つあり、それぞれに表示切り替えのボタンがある。

マテリアルを作成する

イメージファイルの読み込み

Adobe Stockからダウンロードした木目のイメージファイルを作業画面にドラッグ&ドロップ。「Bitmap to material」が選択されているので、そのまま「OK」をクリック。イメージファイルが正方形であれば縦横比は変わらないが、そうでない場合はCropフィルターなどで、後から調整できる。

イメージファイルをドラッグ&ドロップで読み込ませる

マテリアルを確認する

木目のマテリアルが自動生成されたので、3Dビューを回転して現在のマテリアルの状態を確認してみよう。今回は表面の凸凹を平らにしたいのと、無垢材でなく光沢を強めたマテリアルに仕上げたいと思う。

質感を調整する

Alchemistにさまざまな質感の調整用フィルターが搭載されているので、利用していこう。適用したフィルターはレイヤーとして管理され、順序の入れ替えやさかのぼっての編集が行える。

Bitmap to materialのパラメーターを調整する

レイヤーにある「Bitmap to material」をクリックして表示されるパラメーターをいじってみた。Surface Scaleには作成しているマテリアルの寸法を、Height Scaleには凹凸の高さを入力する。Normal Mapの強さはここに入力した数値から決まるようだ。今回はこのままとする。

Adjustmentで凹凸を調整する

各要素のイメージを調整する機能「Adjustment」フィルターを使って表面の凹凸を調整しよう。HeightにあるHeight Scaleを「1」から「0」にした。これで大まかな凹凸は消えたが、表面の細かい凹凸は残っている。ここはNormal Mapで表現しているので、NormalにあるNormal Intensityを「0」から「-1」にしてみた。これで完全な平らになった。

Adjustmentで光沢を調整する

次に光沢を調整してみよう。Roughness / GlossinessにあるContrastとIntensityをそれぞれ「0.01」から「-1」にしてみた。鏡面反射になったので、この状態から3Dビューを見ながらIntensityの数値を上げて光沢を決定しよう。今回は「-0.05」くらいがよい。

Alchemistはレイヤー構造なので、後から光沢を調整できるものありがたい。

Parquet Patternを適用し、フローリングに仕上げる

質感も決まったので、いよいよフローリングに仕上げていこう。「Parquet Pattern」フィルターを適用するとフローリングにはなったが、気になることが2点発生した。

一つ目は凹凸表現のギザギザが粗い点。二つ目はフローリングと木目の方向が合っていない点だ。

一つ目は表示の設定、VIEW SETTINGSにあるDisplacement qualityで調整できる。この数値を上げるほど凹凸が細かくなるが、画面は重くなる。グラフィックボードの性能も関係するのだろうか。ちなみにDisplacement amplitudeは表示上の凸部分の高さを指す。あくまでAdjustmentでの表示でNormal MapやHeight Mapには作用しないので注意だ。

ちなみに、VIEW SETTINGSは3Dビューの右下のアイコンからも調整できる。

Transformでテクスチャの回転を調整する

テクスチャの回転は「Transform」フィルターで行える。レイヤーは適用順序を入れ替えられるので「Parquet Pattern」の下にドラッグで移動させる。読み込み元イメージの方向を気にしなくてよいのは嬉しい。

Parquet Patternでフローリングのパターンを作る

さて、Parquet Patternに戻ろう。Parquet Patternはテクスチャを裁断し、つなぎ合わせフローリングのパターンを作る機能だ。

  • Random Seedをクリックすると板の並びがランダムで変わるのがすごい。何回かクリックして色味のバランスのよい並びが選べる。
  • Pattern Typeはフローリングの並びを切り替えられる。
  • English Pattern Offset(Pattern TypeがEnglishの場合)では、パターンのずれを調整できる。今回は規定値の「0.3」でいこう。
  • X AmountとY Amountで板の縦横の枚数を決められる。ここでフローリング1枚のサイズが決まるのだが、実数値で入れられないのが残念だ。
  • Bevel X DistanceとBevel Y Distanceは板の面取りで溝の切り込み角度を決められる。今回は規定値でよしとする。
  • Bevel Intensityは数値を上げると溝が深くなる。今回は規定値でよしとする。

Normal Mapの反転

Normal Mapには注意が必要で、描画エンジンによって凹凸処理が逆転してしまう場合がある。Revitではへこんでいる部分はレンダリングでもへこむが、作成中のNormal Mapを見ると溝が出っ張って見える。

この点はAdjustmentのNormalにあるNormal Invertをクリックして反転しよう。溝はParquet Patternで付けたものなので、この後に適用する必要がある。

出っ張った球体(Revitのマテリアルに適用)

へこんだ球体(Revitのマテリアルに適用)

木材の仕上げに特化したWood Finish

補足として「Wood Finish」という木材の仕上げに特化したフィルターをご紹介する。Finish TypeにあるOldを適用すると、色合いが変わり表面もざらついた。

木材の仕上げにWood Finish

Revit連携(テクスチャ書き出し)

作成したマテリアルをRevitで使えるようイメージに書き出そう。

Substance Alchemistの使い方が少しずつ理解でき、いろいろと使えそうだ。次は書き出したテクスチャをRevitのマテリアルに取り込んでみる。