FlowDesigner 空調機モデルで、冷え過ぎを防ぎ、最適な室内温度をシミュレーションする

室内温度が変化したら、吹出温度や風量を変化させたい!

家の中でエアコンを利用しているとき、温度設定をして運転させていると思いますが、実は、エアコンは室内が快適な温度になるように、吹出条件を変化させて運転しています。例えば夏の暑い日に、部屋の温度が外の気温と同じくらい高い場合、最初は低い吹出温度で室内全体の温度を下げようとします。それが一定のレベルまで下がったら、徐々に温度を上げて吹き出しています。つまり、エアコンの中で吹出温度を調整しているのです。

FlowDesignerのリンク設定

室内の温度に応じて吹出温度を変える設定は、FlowDesignerの「リンク設定」にもあります。

通常は、吹出風量に対してエアバランスをとるように吸込風量を設定しています。風の量は吹出分だけ捨てればよいですが、温度とは無関係に室内の空気を捨てているため、吹出口と吸込口の位置によっては、温度調節した空気を無駄に捨ててしまうことも考えられます。

一方で、吸込空気を冷やすことができれば、エネルギーの消費を抑えることができます。温度に合わせて吹出温度を変えると、さらにエネルギーロスは小さくなります。

空調機モデルの設定方法

FlowDesignerの空調機モデルを用いると室内の温度変化のシミュレーションを行えます。

1.リンクさせる吹出口と吸込口を選定する

リンクさせる吹出口と吸込口を選びます。

2.温度ごとのふるまいをテーブルで設定する

吸込空気の温度ごとの吹出温度をテーブルで設定します。今回は、吸込温度が高いほど吹出温度が低温となるよう設定しています。

細かい温度のふるまいによって、冷え過ぎを防ぐ

空調機モデルの「設定あり」と「設定なし」のモデルを比較してみます。以下のように条件を変えて設定しています。

空調機モデルの「設定なし」モデル

空調機モデルの「設定あり」モデル

初期状態は「設定なし」モデルと一緒ですが、吸込温度が変わると吹出温度も変わっていることが分かります。

吸込温度35℃33℃30℃28℃
吹出温度18℃20℃23℃25℃

10秒後

空調機モデル「設定なし」モデル

空調機モデル「設定あり」

20秒後

空調機モデル「設定なし」モデル

空調機モデル「設定あり」

30秒後

空調機モデル「設定なし」モデル

空調機モデル「設定あり」

40秒後

空調機モデル「設定なし」モデル

空調機モデル「設定あり」

50秒後

空調機モデル「設定なし」モデル

空調機モデル「設定あり」

60秒後

空調機モデル「設定なし」モデル

空調機モデル「設定あり」

結論

上記のように、60秒後の温度分布を比較すると、空調機モデルを使用しない場合、18℃の領域が比較的大きい範囲を占めます。ただし、18℃だと実際には冷え過ぎの状態です。一方、空調機モデルを使用すると、60秒後には25℃前後の領域が支配的です。このように、FlowDesignerの空調機モデルを使用すると実際の空調機のふるまいに近い様子も再現できます。

空調機モデルを用いて、快適な設定温度について検証してみよう

FlowDesignerの空調機モデルを用いると、室内温度の変化に応じて吹出温度を変化させることができます。これによって、室内の温度がどのように変化するのか、それに応じて、省エネ運転の制御温度についても検証できますので、実際に近いシミュレーションの実現が可能となります。ご興味をお持ちの方は、FlowDesignerの機能・動画・事例などをまとめたカタログにてご確認ください。

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