自然換気は、ドアや窓を開けるなどして温度差や気圧差を利用した換気方法です。温度差による換気では暖かい空気が上昇する性質を利用し、気圧差による換気では高圧から低圧への気流を利用します。ただし、自然換気には温度差や気圧差が少ない場合には換気が進まないデメリットがあり、換気量の調節が難しいという課題があります。
主な内容
- FlowDesigner 製品特徴
- 導入事例と製品動画
- 5分で分かる 解析事例
換気の種類と違いを知ろう
室内の換気は、快適な居住環境を維持し、健康を促進するために不可欠です。さまざまな換気の方法がありますが、適した換気システムを検討することで、居住者の快適性やエネルギー効率の向上が期待できます。
自然換気は、ドアや窓を開けるなどして温度差や気圧差を利用した換気方法です。温度差による換気では暖かい空気が上昇する性質を利用し、気圧差による換気では高圧から低圧への気流を利用します。ただし、自然換気には温度差や気圧差が少ない場合には換気が進まないデメリットがあり、換気量の調節が難しいという課題があります。
機械換気は送風機(ファン)などの機械を活用して換気を行う方法で、強制換気ともよばれます。機械換気はし自然換気の限定された条件下での換気不足を補完するとともに、換気量をより細かく調節できるメリットがあります。
ハイブリッド換気は、両者を組み合わせた方法で、自然換気の省エネルギー性と機械換気の安定性を同時に享受できます。
機械換気には3種類の方法がありますが、違いを知ることで換気効率の最適化やエネルギーコストの最小化と環境への負荷軽減するだけでなく、機械換気システムの長寿命化にもつながります。
それでは、それぞれの違いを見ていきましょう。
給気、排気ともに送風機(ファン)を用いる方式。換気量が大きく安定した換気を行えるため、劇場・映画館などの大空間居室や地下空間などに適しています。
送風機の給・排気量を任意に変えられるため、室内の気圧を周囲よりも高い正圧にすることも周囲より低い負圧にすることもできます。レストランなどの業務用厨房にも用いられ、臭気などが他室へ流出しないように、給気量よりも排気量を多くすることで、厨房内を負圧状態に保ちます。
給気に送風機(ファン)、排気に自然換気口を用いる方式です。排気量よりも給気量の方が大きく、室内は周囲よりも気圧の高い正圧になります。外部の汚染空気が室内に流入するのを避ける清浄室(半導体工場のクリーンルーム、病院の手術室)に適しています。
給気に自然換気口、排気に送風機を用いる方式です。給気量よりも排気量の方が大きく、室内は周囲よりも気圧の低い負圧になります。室内の汚染空気(空気、熱、水蒸気を含む)が、隣接する他室に流出するのを避ける汚染室(便所、浴室、厨房)に適しています。
FlowDesignerも目に見えない現象やプロセスを分かりやすく可視化してくれるソフトです。解析ソフトではどのような違いが出るのでしょうか? 次のようなモデルを使って検証してみます。
モデルの大きさ | 幅:1m、奥行き:5m、高さ:6m |
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給気口 | 給気口:1カ所、排気口:3カ所 |
第1種換気方式(機械給気+機械排気)モデル
FlowDesignerでは、機械給気については吹出口(流入)のパーツ、機械排気については吸込口(流出)のパーツを用いてモデル化します。
温度分布
圧力分布
FlowDesignerでは、機械給気については吹出口(流入)のパーツ、自然排気については外部開口部のパーツを用いてモデル化します。
温度分布
圧力分布
FlowDesignerでは、機械給気については外部開口部のパーツ、自然排気については吸込口(流出)のパーツを用いてモデル化します。
温度分布
圧力分布
第1種換気は、主に正圧・負圧の居室に適用される換気方式のため、第2種および第3種の換気方式とは異なりますが、CFDを用いて換気方式のみを変更した場合、物理量として違いが現れました。
FlowDesignerは単なる換気方式の検証だけでなく、汚染度などにも幅広く検証が可能なため、換気の事前検討や送風機の設置においてもご利用いただけます。ご興味をお持ちの方は、FlowDesignerの機能・動画・事例などをまとめたカタログにてご確認ください。
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FlowDesignerの特徴、事例、動画などを体系的にまとめたカタログをご用意しています。もちろん無料!ぜひお役立てください。
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主な内容
FlowDesigner解析事例31:高層オフィスビルにおける階ごとの換気性能(Revit ifcデータを用いて)
見直されている自然換気。高層オフィスビル内で自然換気を行うと、内部はどのように変化するのか? 解析ツールFlowDesignerを使って、各階の変化をレポートします。
FlowDesigner解析事例30:低層オフィス窓種類と換気性能(Revit IFCデータを用いて)
「外観の印象まで左右する」と言われている窓。窓を選ぶ際は外観のほかにも、断熱性、通気性、安全面、メンテナンスなど考慮する項目は多くあります。今回は換気効率が高い窓にしたいと考えています。FIX窓と開き窓、どちらにしたらよいか解析します。
FlowDesigner解析事例24後編:地形・街区一体での自然換気解析(シミュレーション編)
Vectorworksから出力したCADデータを用いて、建物内の風の流れを見える化し、窓の配置・大きさ、部屋のレイアウトなどの設計に役立てたいと考えています。ビル周辺は必ずしも卓越風向どおりの風が流れるとは限らないため、建物単体ではなく、周辺の建物・地形の影響を考慮したシミュレーションを行います。
FlowDesigner解析事例24前編:地形・街区一体での自然換気解析(BIMデータ活用術編)
今回は地形からくる風向特性を考慮した上で、窓の配置・大きさ、部屋のレイアウトなど建物の換気性能を評価した設計を行います。前編では、Vectorworksで作成したデータをFlowDesignerにインポートし、解析用に調整するところまでをご紹介します。FlowDesignerの便利な機能に注目です!
FlowDesigner解析事例13:ネスティング機能を用いた自然換気解析
通常、建物の内外を同時に解析するには大規模なメッシュが必要となります。今回はFlowDesigner11に装備されたネスティング機能を使用し、数10万メッシュでの自然換気解析を検証しました。
FlowDesigner解析事例12:ウインドキャッチャーによる換気効果
FlowDesignerの「逆解析」と聞くと難しそうに聞こえますが、操作は簡単で初心者の方でもすぐに使えます。今回は建物内部に自然風を取り込むことを目的とした出窓(ウインドキャッチャー)において、換気効率の高い配置箇所をこの逆解析を用いて検証します。